病気やケガで仕事を休むとどうなるでしょう!?
業務中のケガ、病気は「労災」で給付金を受給できる
もしも病気やケガで長期間会社を休まなければならない場合、休業中の給料はどうなるのでしょうか?
たとえば、通勤途中に事故に遭ったり、仕事が原因で病気になった場合は、会社で加入している労災保険が適用することが出来ます。
正式名称を「労働者災害補償保険」といい、業務上または通勤途中の災害によって負傷したり、病気になったり、障害が残ったり、死亡した場合に、労働者やその遺族に対し保険金が給付されます。
つまり、通勤や業務上の災害が原因とみなされれば、働けない間の給料もこの保険が補償してくれるというわけです。
労災保険(以下労災)が適用されるのは、まず賃金を受けられない日が4日以上に及ぶ場合です。
つまり、会社を3日間休み、4日目以降からになります。
給付額は、受給前3カ月間の給与をもとに給付基礎日額の80 %が支給されます。
認定基準には、業務上の心理的負荷による精神障害もあり、うつ病も労災の対象になります。
長時間労働やセクハラ、パワハラなどが認められるケースもあります。
労災が適用される労働者には正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣社員なども含まれます。
労災保険に未加入の事業所の場合、自分で申請すれば補償が受けられます。
休日の病気やケガは「傷病手当」が適用される
業務中以外の休日や私用時に病気やケガをして長期間働けない場合は、会社で加入している健康保険から「傷病手当金」が支給されます。
連続する3日間を含み4日以上休んでいるなどが条件で、受けとれる金額は標準報酬日額の3分の2に相当する金額となります。
支給される期間は、支給開始日から最長1年6カ月です。
ただし、休業期間も有給扱いになるなど報酬が発生する場合は、金額が調整されます。
たとえば、傷病手当金が0万円で、会社からの報酬が8万円の場合はその差額の2万円が支給額となります。
傷病手当金よりも多い額の報酬が支払われた場合は、支給されません。
こんな時は「労災」or「傷病手当」どっち!?
病気やケガになった原因やタイミングによっては労災が適用されないこともあります。
下記のようなシチュエーションはどうなるのか、確認してみて下さい。
お昼休みに来客した顧客と昼食を食べに行く途中で事故に遭った
場合によって労災保険が適用されます
休憩時間は自由に使うことができるため、業務遂行性が認められません。ただし、ランチミーティングであれば業務中と認められ、労災が適用されることもあります。
友人の家にお泊りをして、翌朝、友人宅から通勤する途中で事故にあった
場合によって傷病手当が適用されます
友人宅は就業の拠点ではないので、労災保険法が定める「住居」とは認められないため労災保険は認められません。
ひとり暮らしをしており、週末に実家に帰って月曜日に実家から出勤する場合も同様です。
出張先で夕食を食べた後に、ホテルの目の前で車にはねられてしまった
労災保険が適用されます
出張先は原則的に、全工程で業務関連性を認められるため、労災保険が適用されます。
1か月前に赴任してきた上司のパワハラでうつ病になり会社を長期休むことになった
傷病手当が支給されます
ポイントは1か月前であることです。
うつ病で労災と認定されるためには、発病前6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められることとされています。
今回は期間が短いため、労災保険ではなく傷病手当となります。
デスクワークのしすぎで肩こり、腰痛になってしまった
労災保険が支給されます
明らかにデスクワークが肩こり、腰痛の原因であるならば、労災保険が適用されます。
ただし、その因果関係を証明できるように経過をまとめておきましょう。